一緒に地獄めぐりをしましょうよ
先生、わたしもう若くなんてないのよ。次の春にはきっと屍、その時わたしを視姦してくださいますか。
おとぎ話みたいだって笑ってばかりの君へ。
高崎さんのようには踊れないけど、頭の中のわたしは綺麗にスカート翻して渋谷の街を踊ってる。夢の続きのような朝、ヒールで既に足は痛くて昨日の夜あんなに綺麗に踊れた私はもういない。それでもおとぎ話みたいな夜はまだ続いてて、こんなところ早く出ていきたいと思ってた女子高生のわたしと今も一緒に生きている。
「おとぎ話みたい」を見るのは何回目だろう。毎回毎回見る度に違うことを思うし、見る度に同じことを思う。こんなことで、と笑うでしょうか。から、彼の名を新見先生と言う。までの踊るような恋の始まり。
全ての恋は始まった瞬間から終わりに向かっている、と監督は言っていたけどそんなのあまりにも辛すぎると思ってしまうのはおとぎ話の見過ぎなのかな。仮にそうだったとしたら、やっぱりわたしも高崎さんのように思ってしまうかもしれないな。わたしのこと忘れないでね、終わらない手紙を書くよ。
私の愛だけが、関係性の全てだったのだ。いつでも捧げてる、という誓いだけが宙ぶらりんになっていく午後の、この時間すら、おとぎ話のように包まれてゆくことの、悲しみよ。
溺れるナイフ、楽しみだけど自分がどうなっちゃうか怖い気持ちもある。