ハレルヤ

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夢みたいな生活を手に入れたのに何がこんなに物足りないのか。あの生活を手放したからこそ、今こうして帰ったら人がいる生活が出来ているのに。暇なのがよくないのかな、でもそろそろうまく休むことを上手になりたい。心に余裕が出来たからといって物事うまくいくわけじゃないのかも。余計なことばかり考えてしまう、そのための余裕じゃないのに。仕事だってわたしには何も出来ないと本気で思うし、どこに属してもきっとまたうまくいかない。かといってひとりで頑張れる程気力もやる気もない。甘えてばかりでごめんなさい。でも本当に何もかもの自信がなくなってしまった。「おとぎ話はもう終わってるはずなんだけど 彼女はそれを信じようとはしない」好きなことが栄養になる時期はとっくに終わっていて、ただの痛み止めと化している。こうやってどんどん鈍感になっていって、麻痺して、何も感じなくなってしまったらどうしよう。自分の感受性だけは気に入っているのに。「君の描いた夢はどんなのだったけ」

ステージのスターより、それを見て目を輝かせる人達を見ることが好きだった。ステージを照らす光やスピーカーから溢れ出る音に目や耳を凝らすことが好きだった。でもいわゆる業界の裏側やその世界の人たちの特徴を知ってじわりじわりと絶望し、気が付いたらその道を進むことは辞めてしまった。

かわいいだけじゃなくて、掲げてる信念に胸を打たれた。魂が綺麗な人が集まっているのではと信じてやまなかった。そんな中のひとりになりたかった。それまでの人生で一番頑張ったと思う。蓋を開けたら学歴社会、生まれた環境を憎んだ。それでも毎日がかけがえなくて、そこからの一年ももっと頑張った。いっぱいのキラキラをもらったけどわたしにも暮らしがあった、生活していかなければいけなかった。ひとりで。夢の世界はあっという間に幕を閉じた。

そこからはどんどん色んなものに鈍感になっていって、視界が濁っていった。少しお休みをして、ずっと自分に付き纏っている気がしている問題に向き合おうとした。そのために自分の幼少期と被る子供達と日常的に関わる仕事を目指した。結果的に解決さえしなかったけど大切な友人がたくさん増えた。あの頃の自分のことも抱きしめてあげられた気がしている。そこで終わっていたら良かったのに。周りは環境が悪かったって言ってくれるけど(ああ、わたしはやっぱりどんなところでもやっていけない人間なんだ)と思うトドメとなった。ここからまた光を見つけられるだろうか。今まで見たような強烈な光じゃなくても、部屋に差し込む朝日のような光でもいいから。「なぁ奇跡ってやつをもう一回信じてみよう 真夏に咲いたポインセチアみたいに」